米国株や為替でよく聞く言葉として「Sell in May(株は5月に売れ)」というものがありますね。
これの全文としては「Sell in May,and go away; don’t come back until St Leger day」とあり、9月の第2土曜日まで戻ってくるなということは9月の第3週に買うのが良いということになります。
これが本当なのかyahoo financeで取得した1928年から2020年の93年間のデータを用いて検証してみました。(他のブログも読んでみましたが、1928年のデータから検証しているブログはありませんでした)
Sell in Mayは嘘?
さっそくデータをお見せしましょう。S&P500に対して93年間の月ごとの騰落率(リターン)を集計したものが次のグラフになります。
確かに5月は平均してマイナスリターンですが、9月の方が下落していますね。
さらに、93年間のうち、55年間は5月の株価は上昇しています。これは59%の確率で5月の株価は上昇していることになり、もはやランダムと言っても良いくらいの確率です。
米国株が現在のように右肩上がりになったのは第2次世界大戦後の1945年あたりから(参照: https://www.bakuro-hack.com/entry/2020/11/13/232406)なので、1945年から2020年までの76年間について同様のグラフ化を行いました。
なんと、5月はややプラスになっています。また、5月に上昇する確率は59.2%となっており、なんなら5月は上昇する確率の方が高いという結果になりました。
1945年からだとデータが古いのも混ざっているかなということと、2020年はコロナのリバウンド相場があったことを考えて2000年から2019年までの20年間のグラフを示します。
微妙にマイナスになっていますね。ただし、20年のうち上昇した年は13年あり、上がる確率の方が高いということになっています。
ただし、5, 6, 8, 9月はマイナスになっており、5月に売って、9月第3週に買うというのはありな戦略な気もします。
S&P500と同様に米国株インデックスであるNASDAQ100についても調べてみます。1985年から2019年までの25年間の月別騰落率を表したグラフは以下です。
上昇率は67.6%となり完全に5月は上昇しています。
5月頭に売り、9月第3週に買うとどうなるか?
それでは格言通り、5月の頭に売って9月の第3週に売った場合どうなるかみてみましょう。
次のグラフは1945年から2019年における、5月最初の営業日から9月第2週金曜日までの騰落率を年ごとに表したグラフです。
グラフだけだとわかりづらいと思いますが、これらを集計すると平均+1.1%, 上昇確率66.6%となります。
つまり、5月から9月も株は売らずに持っておいた方が良いという結論になります。
まとめ
というわけで、Sell in Mayはデータ的にはそうでもないんじゃね?という記事でした。
これでわざわざ5月に米国株インデックスを売って、9月に一気に買い戻すなどというリスクを取らなくてすみますね。(そうしている人がいるかは知りませんが)
自分でデータを確認しないと結局損をするということになります。そして、自分で調べるためにはプログラミングの力を借りる必要があるということを知っていただければ幸いです。