暴露ハック

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S&P500の年平均リターンを対数グラフで分析してみた[インデックス投資]

こんにちは

コロナ禍で空前の投資ブームが来ているようですね。

www3.nhk.or.jp

在宅勤務増加で時間も増え、株価が落ち込んでいたからこそ買い時だとの風潮も後押ししたのでしょう。

投資の神様ことウォーレンバフェットも暴落時こそ買い時だと言っていたように、大衆の判断は間違っていないのかもしれません。

ただ、それまで全く投資をしてなかった初心者がいきなり儲けられないのが投資の世界。

超一流大学の経済学・数学・工学専攻の人たちが朝から晩まで必死に働いてなんとかファンドの利益を守っているというのに(守れてない場合だってありそう)、中流大学を出て、テキトーに仕事をしている私たちがそんな簡単に投資の世界で勝てるわけありません。

かといって、彼らはファンドという大きな小回りの効かない機関で働いていて失敗が許されないプレッシャーがあるというのと、私たちは余剰資金でやれば資金を溶かしたところでまた貯金して頑張れば良いし、動かすお金も小さくて小回りが効く個人とでは立場がだいぶ違うので、それなりに頑張れば太刀打ちはできそうです。

リスクをどれだけ取れるかの違いですが、前置きが長くなってしまったのでここらへんにしておきます。

さて、右も左も分からない投資初心者の入り口としてはインデックス投資がおすすめだという話はよく聞くと思います。

私もその意見に賛成で、先述のバフェットは妻にS&P500インデックスに資産の90%を投資しろと言ったそうです。

インデックス投資の中でもアメリカの500銘柄を集めたS&P500がリスクリターン的に魅力的なのです。

今、世界経済を中心で動かしているのはアメリカですし、GAFAをはじめとした世界を牽引する企業はアメリカに集中しています。(中国企業の台頭により今後はどうなるかはわかりませんが)

だから、アメリカの有力企業500社に投資することになるS&P500が期待値が良いのでしょう。

その有望性を裏付けるのが、S&P500の価格チャートです。(下図)

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S&P500 price chart

グラフの始まりは1928年1月なのですが、右肩上がりで指数関数的に増えていますね。

ただ、投資の世界では複利・年率という言葉がよく使われます。

例えば、1000万円の元金を年率5%で20年運用すると2653万円になり、1653万円の利益を得られる、みたいな話です。

つまり、投資対象がいくら増えたかというよりも、何%増えたかという方が大事なのです。

もう少し具体例をあげると、S&P500指数が価格1ドルの時に投資して2ドルになったとします。

仮にここで1000万円分の元金で投資していたら、2000万円になる計算です。

一方、S&P指数が価格100ドルの時に投資して101ドルになったとします。

1000万円分の元金は1010万円にしかなりません。

S&P指数は両方とも1ドル上昇したのに、得られた利益は100分の1になってしまうのです。

この理由は1ドルに対して2ドルは2倍ですが、100ドルに対して101ドルは1.01倍だからということですね。

このことから分かるのは投資において大切なのは投資対象がいくら上がったかというよりも何%上がったか、というのが大事なのですね。

そして先ほどのグラフはいくら上がったかを見るのには適していますが、何%上がったかを示すのには向いていません。

投資において1ドルが2ドルになることは、1000ドルが2000ドルになることとほぼ等しいのに、先ほどのグラフでは1ドル→2ドルなんてほぼ見えないくらいの違いですが、1000ドル→2000ドルでははっきり見えるくらいの違いですよね。

そんな問題を解決してくれるのが対数グラフです。まずはこちらをご覧ください。

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S&P500 returns log scale

右肩上がりに上がっていますね。先ほどのグラフと同じデータですが、左の軸の取り方が違います。

このようなグラフを対数グラフ(ログスケール)といい、1ドル→2ドルの変化量と、100ドル→200ドルの変化量は同じ長さになります。

このグラフがきれいに右肩上がりになっているということは、S&P500はここ80年近く安定したリターンを叩き出しているということがわかります。ちなみに1945年以降の年平均リターンは約7.5%です。

NASDAQのリターンを対数で見てみます。こちらも少し山がありますが、基本的に右肩上がりです。1985年からの平均リターンは13.2%です。

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NASDAQ return log scale

一方、日本の日経平均をみてみましょう。

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日経平均リターン(ログスケール)

ログスケールで見なくてもわかることですが、右肩上がりではありません。

1965年以降の年平均リターンは5.3%ですが、2000年以降の年平均リターンは1.1%であり、バブルを超えられてないことがわかります。

まあこんな感じで、アメリカのS&P500に投資するのが初心者にとってはアンパイなんじゃね?という話でした。